北アフリカと西アフリカにおける水の重要性

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成功事例2019年12月20日

「南の真珠」という愛称を持つマラケシュに本社を構えるモロッコの企業スマート灌漑は、北アフリカと西アフリカにおいて、乏しい水資源を持続可能な方法で利用することを目的とした非常に難しいプロジェクトに取り組み、成功を収めています。スマート灌漑がこれまでに手掛けたこの種のプロジェクトには、オリーブやレモン、マンゴーが栽培されている農園の灌漑システム用の水盤の設置などが含まれます。北アフリカでは特に、乏しい水資源をできる限り保護し、活用することを中心にすべてが回っています。

著者:ライスター・スイス、コーポレート・コミュニケーション・マネージャー、シルケ・ランドトゥイング

モロッコは2008年から「Plan Maroc Vert」(緑のモロッコ計画)と呼ばれる野心的な農業計画を実施しており、2020年までに500,000 haの灌漑を行うことが含まれています。スマート灌漑は、ジオメンブレンを用いた水盤灌漑の設置や太陽光発電による点滴灌漑システムなどに関する専門知識と技術を有しているため、同社の主力事業は、この灌漑整備計画に合わせて調整されています。「緑のモロッコ計画」は、水の消費量を最小限にとどめ、再生可能エネルギーを使用することを想定した計画であるため、これらの灌漑システムは同計画の指針に最適と言えます。

スマート灌漑が全幅の信頼を寄せるライスター品質

スマート灌漑は、2014年 Omar Zakaria氏によって設立された企業です。同社は設立以来、順調に成長を遂げており、現在4つのチームがジオメンブレンと点滴灌漑システムの設置に取り組んでいます。スマート灌漑は、ライスターの品質に全幅の信頼を置いており、同社のチームは、ジオメンブレンの重ね溶接に「ジオスターG5」、「コメット」、「ツイニーS」を、溶接シームの修正とプラスチック管や接続部の溶接に押出溶接機「フュージョン3」とハンドツール「トリアックST」を使用しています。また、浸水の発生を防止するためにはすべての溶接部位の密封性に欠陥がないことが極めて重要となるため、スマート灌漑は品質保証にライスターの試験用注入針を使用しています。

モロッコでの成功

スマート灌漑はターゲット市場をモロッコに絞り込み本腰を入れて事業を展開しています。成功した会社が実施したプロジェクトは、緑の谷や山のある国の北部や、日中の気温が55℃に達し、夜には約0℃まで下がるモロッコのサハラ砂漠など、モロッコの領土全体に及びます。

オリーブ栽培のために灌漑された200ヘクタールの土地

エル・ガルブ地域のオリーブの木への灌漑プロジェクトにおいて、スマート灌漑は46,000m2のエリアを遮水しました。 HDPEジオメンブレン(1mm厚み)を使用して、完全な点滴灌漑システムを設置しました。この土地は砂質土であったため、ジオメンブレンを敷く際、不織布・フェルト等は不要でした。

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スマート灌漑は、「ジオスターG5」と「フュージョン3」を使用し、わずか10営業日という記録的な速さでジオメンブレンの溶接を成し遂げました。新たに灌漑された土地でオリーブの木はすでに成長しており、最初の収穫は見事に成功しました。

西アフリカに秘められた新プロジェクトの可能性

スマート灌漑は、しばらく前からモーリタニア、セネガル、コートジボワールでのプロジェクトの獲得に取り組んでいます。これらの国々には、モロッコの専門技術に対する大きな需要があり、すでにいくつかのプロジェクトが実施され、成功を収めています。

セネガルでのマンゴー農園とレモン農園の灌漑

セネガルのダカール地域では、スマート灌漑が6,800m2の灌漑設備を設置しました。盆地とマンゴーとレモンのプランテーションのための完全な灌漑システムを2営業日で完成させました。このプロジェクトを完了させるため、同社のチームは1日8~10時間作業に取り組みました。この砂漠地域は日中気温が高くなるため、作業は早朝と日没後に集中的に行われました。石の多い土地だったため、HDPEジオメンブレンを保護するため最初にジオ用布地が敷かれました。ジオメンブレンの溶接には、「ジオスターG5」2台に加え、「フュージョン2」と「トリアックST」数台が使用されました。

ライスタージオスター G5は、厚さ1mmのHDPEジオメンブレンを6m/分の速度で溶接します。その結果、大規模なジオプロジェクトでも特に効率的に施工できるため、時間とコストを大幅に削減することができます。

極めて良好な協力関係

ライスター・テクノロジーズ AGのアフリカ支社でセールスマネージャーを務めるRachid Benlakhouyさんは、カサブランカにある当社の販売代理店の担当者、そしてスマート灌漑の創設者であり経営者であるOmar Zakaria氏と数年間にわたって非常に良い関係を築き、連携して取り組みを行っています。

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2019年9月に3人は共にプラスチック溶接に関するセミナーを開催しました。このセミナーには、マラケシュから30名以上のお客様が参加されました。参加者の皆様は、溶接シームの仕上がり品質と作業速度を何より重視されていたため、特に「ジオスターG5」と「ツイニーT5」の新技術に高い関心を示していらっしゃいました。