レーザープラスチック溶着:イタリアにおける重要な開発

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製品ストーリー2020年4月20日

レーザープラスチック溶着は、重要な開発途上にあります。スイスの多国籍企業であるライスター社は、70年以上にわたりプラスチック溶接技術の分野におけるリファレンスとして、自動車、電子機器、マイクロテクノロジー、医療、繊維の各分野でソリューションの開発に成功しています。

著者。アルベルト・ペッキオ(Alberto Pecchio)、ライスター・イタリア マーケティング・スペシャリスト

レーザープラスチック溶着の原理

1990年代初期に大学の研究室で開発された熱可塑性素材用のレーザー溶着技術は、1990年代後半には実際の産業において使用されるようなり、現在成熟を迎えています。また、「レーザー放射溶接」とも呼ばれ、2つのプラスチック部品、1つの吸収体と1つの透明な部品を接合することができます。レーザー光は透明の接着部材を透過し、エネルギーを吸収部材へと伝わります。熱を帯びるにつれ、透明な部材への熱伝導によってこの部材が溶けるまで熱を伝えます。このために、平面接合においては物理的な接触が必要となり、それは機械的クランピングによりなされます。部分的な熱とその広がりと、内部界面で発生する接合圧力により溶着が行われます。この外部及び内部の2つの圧力により、2つの部材の堅牢な溶着が可能になるのです。

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  1. 透明接着部材
  2. 吸収接着部材
  3. レーザー発光
  4. 溶解エリア
  5. 溶接シーム

レーザー技術の利点

この溶着技術による、多くの利点:

  • フレキシブルで、非接触式の溶着プロセス
  • 溶着面への熱応力の最小化
  • 機械的応力の最小化
  • シンプルな溶接シーム形状
  • 粉塵の発生なし
  • 振動のない作業
  • 美的に優れた傷のない溶着シーム
  • 高精度
  • シーリング溶接への適性
  • 工具摩耗がない

あらゆるタイプの熱可塑性プラスチックとABS、PA、PC、PMMA、PS、PBTを含む熱可塑性エラストマー、ファイバー強化ポリマーのプロセスにおいてレーザー溶着が可能です。溶着シームの強度は、ベースマテリアルの強度にほぼ匹敵します。

主な応用エリア

自動車:最も変化に富むコンポーネントをコントロールするためのセンサー、流体タンクの実現、光学グループ(ライト)の溶着まで。

メディカルテクノロジー:市場には、レーザー溶着部材を使用した製品が存在します。マイクロ流路あるいは分析用チップが良い例です。

エレクトロニクス:現代の生活の多くのエリアでは、電子部品が使われています。通常、ハウジングにより隔離された環境で、組付けられています。レーザーテクノロジーは、防水目的の封止に最適です。

布地(テキスタイル) レーザー溶着は、フィルターを製造したり、プラスチック構造物に、シート材を溶着したりするのに使用されます。

なぜライスターか

お客様にレーザー溶着とプラスチック素材のソリューションを開発し、提供できる、世界でも数少ない企業です。

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ライスターは、数多くの、レーザー光を誘導する技術を提供し、これによる溶着プロセスを実現してきました。これには、プラスチック部品を一つのプロセスで立体的に溶着できる特許取得済GLOBO溶着を含みます。ライスターはまた、何十年にも渡る応用プロセス経験とスイスの親会社の研究所における実証実験に基づき、お客様に対し、新しい用途の開発と生産サイクルの最適化を提供してきました。また、イタリアの子会社の優れた技術者達は、個々のプロセスの様々なステージにおいて、顧客をサポートすることが可能です。

ノボラス システム

ノボラスは、ライスターのレーザー溶着機のメインラインの名称です。ノボラス WS ATシリーズは、モジュールであり、普遍的なターンキーレーザーシステムです。これは様々なレーザーモジュールを実装することができ、生産性向上をもたらしコスト削減にも貢献します。

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生産性の更なる向上のためには、ノボラス WS ATは回転テーブルと統合することができます。ノボラス溶着機は、手作業の工房でも、あるいはオートメーション化された生産ラインでも使用可能です。ライスターの開発者の経験とノウハウのおかげで、これらのシステムは、お客様の個別な技術要素および用途に応じて生産することができます。