すべてを把握:溶接後の試験の重要性

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製品ストーリー2020年5月19日

熱可塑性プラスチック材料の溶接のシーリングは極めて重要です。溶接検査のニーズを満たすためには、適切な工具が必要となります。ここで適切な工具には、当然予測できる通り、ライスターが扱っている製品の一部が該当します。

著者。アルベルト・ペッキオ、ライスター・イタリア マーケティング・スペシャリスト

廃棄物処理場やダム、貯水池、トンネルなどの土木工事に関連する場合は特に、熱可塑性プラスチック材料の溶接のシーリングは極めて重要です。この種の工事の場合、確実に作業を完了することのみが認められます。また、明確に定められた項目に従って、溶接の仕上がりについて正確な品質検査が求められる可能性もあります。溶接検査のニーズを満たすためには、適切な工具が必要となります。ここで適切な工具には、当然予測できる通り、プラスチック溶接向けのソリューションを提供しているスイスの多国籍企業であるライスターが扱っている製品の一部が該当します。

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この分野におけるライスターの実績は、溶接の質を評価するために適切なシステムを慎重に設計するために欠かせない要件かつ最適な要件となります。今回のインタビューでは、ライスターで装置のメンテナンスと品質管理を担当する技術エキスパートであるKlaid Mastoraさんより、これらのシステムについてお伺いしました。

試験の対象となる溶接の種類を教えていただけますか。

品質が問われる作業の場合、行われた溶接の質を頻繁に点検することは欠かせません。最高の質が求められる埋立て地などの現場で作業を行う場合、溶接の点検と文書化は、基本中の基本となります。防水作業の段階にミスがあれば、雨による浸水の危険にさらされる可能性があります。そして結果的に人々への悪影響につながる可能性があります。お客様の要求の度合いは、作業の種類によって異なるでしょう。防水は必ず確認して問題のない状態でなければならず、作業の質は必ず文書化しなければなりません。当社の「ジオスターG5」や「ジオスターG7」、「ツイニーT5」や「ツイニーT7」、「コメット」などの自動装置で実施された溶接も、押出溶接機で実施された溶接もすべて試験の対象となります。試験の第一段階では、溶接される予定の材料でテスト溶接を実施します。試験を実施する際、試験ピースを用意することが必要となります。この作業に最適な工具は、ライスターの機械式打抜機「クーポン・カッター」です。この打抜機には人間工学に基づく形状の長いレバーが採用されているため、DVS(ドイツ溶接学会)の規制(編集者注:プラスチック材料の加工に関する指令)を遵守した溶接サンプルが簡単に得られます。サンプルが得られたら、サンプルの引張強度試験を実施します。

引張強度はどのような方法で測定するのでしょうか。

簡単です。測定には「エグザモ USB」を使用します。この装置は基本的に、制御・測定ユニット、試験片クランプジョー、ジョー移動機構で構成されています。試験速度、すなわちジョーの移動速度を設定する必要があります。ジョーが試験サンプルとは反対方向に移動することで、伸びが進行し、試験片に負荷がかかります。試験の最後に、破断した試験片について、対応する伸び値と共に測定された最大負荷(力のピーク値)と破断荷重(引裂力)をデジタルディスプレイに表示できます。
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破断力の値は、溶接の材料と溶接の用途に従って設定された正確な下限内に収まっていなければなりません。また、専門技術スタッフは、破断後のサンプルの残骸から溶接の質に関する有用な情報を得ることもできます。扱いやすく軽いエグザモは、現場で簡単にお使いいただけることを目的に開発された携帯式の小型ラボです。

溶接の質を評価するために使用できる他の方法について教えていただけますか。

非常に一般的な試験、すなわち溶接されたメンブレン内の圧力測定に基づく試験は現場で直接実施されます。最も一般的な例では、ダブル・トラック溶接と呼ばれる特定の構造、すなわち、空気を注入する試験チャンネルを生み出す、この溶接のメリットが活用されます。

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溶接のシールの試験には、圧縮空気圧力計と試験用注入針が使用されます。溶接に針が差し込まれ、指定の気圧に到達するまで溶接部に空気が注入されます。その空気圧は圧力計で測定されます。その後、一定の間隔で空気圧トレンドがモニタリングされます。気圧の低下が容認される範囲内に収まっている場合、試験は合格となります。圧力計搭載の針は、試験対象の材料の硬さに合わせてお選びいただける2種類のモデルをご用意しています。いずれのモデルにも、作業者へのあらゆるリスクを防止する簡単な保護システムが装備されています。

溶接における漏れを正確に特定する方法を教えていただけますか。

この要件を満たすために、ライスターでは、真空ポンプとベルで構成されるシステムを提供しています。検査の対象となる溶接には事前に石鹸水が吹き付けられます。ベル内にポンプで作られる真空状態により、空気の道が生じ、すぐに漏れを特定できるようになります。問題が広範に及んでいたとしても、新しい押出溶接機を使用すれば溶接をすべてやり直さずに、対象の範囲のみを簡単に修理できます。

今お話いただいた方法で実施した試験は信頼できますか。

もちろんです。最初のサンプルを対象にエグザモを使用して実施する予防点検と、その後に試験用注入針と真空システムを使用して実施される試験により、溶接の全工程を対象として適切な設定を行うことができます。さらに、「ジオスターG5」や「ジオスターG7」、「ツイニーT5」や「ツイニーT7」などライスター最新の溶接機には、LQS(ライスター品質システム)が装備されています。このシステムには、溶接機の現在地と共にすべての溶接設定を継続的に記録できるGPSが搭載されています。