Bahr Al-Baqar - エジプトでレコードタイムで溶接された2.7 km / 1.7 miのプラスチックチューブ

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成功事例2021年9月24日

エジプトでは、アフリカ最大の廃水処理場、Bahr Al-Baqarが建設中です。干ばつと人口の急速な増加により、農業排水の処理と、得られたきれいな水のリサイクルが急務となっています。この記事では、この土木工事プロジェクトで使用されたLeisterの機器を紹介します。

著者:Leisterスイス、コーポレート・コミュニケーション・マネージャー、Silke Landtwing

エジプトの人口は急速に増加しています。現在、約1億300万人(調査中)がピラミッドとファラオの地に住んでいます。乾燥国であるエジプトは、ナイル川と地下水に依存しています。エジプトの水資源の95パーセント以上はナイル川から受水しています。しかし、ナイルの水は限られており、地下水はほとんど再利用できないため、国は廃水処理プロジェクトに注力しています。エジプトの目標は、浄化と再利用により水を節約し、国の生産性を高めることです。

廃水処理

エジプトはすでに水不足に悩まされているにもかかわらず、古代と変わらない灌漑のやり方が多く見られます。農民は、広大な農地に水を張ります。専門家は、従来の技術や灌注方法では、水があまりにも無駄になっていると述べています。これが、新境地を開拓し、最新のテクノロジーを利用して農地の灌漑を改善する大きな理由となっています。また、灌漑は、未処理の農業、工業、生活廃水からの汚染によっても脅かされます。

Bahr Al-Baqar:アフリカ最大の水処理場

エジプト北西部のBahr Al-Baqar廃水処理場は、アフリカ最大、そして世界最大の規模になる予定です。プロジェクトの計画処理能力は、処理済み水で1日当たり5Mio. m3 / 176,57Mio ft3です(著者注:5Mio. m3 / 176,57Mio ft3の水は、オリンピックスイミングプール2,000個を満杯にするのに十分な量です)。施設には合計で4つの水処理ラインがあり、それぞれ1日あたりの処理能力は1.25 Mio. m3 / 44,14 Mio. ft3です。処理水は、スエズ運河沿いの農地140,000 ha / 345,946 acの灌注に使用されます。このプロジェクトの実現により農地の灌漑が改善されると予想されます。

廃水処理場用HDPEチューブの溶接

大規模プロジェクトである廃水処理場のスパイラル巻PE-100配管の生産および設置に関する契約は、エジプトのKrah Misr社が受注しました。Krah Misrは、ドイツの機械メーカーであるKrah AGからライセンスを受けて設立されました。35年以上にわたって、あらゆるサイズと厚さの大径プラスチック管および継手の製造機器の設計、開発、建設に携わってきました。プラスチック製のBorSafeTM HE3490-LSは、PE100に分類されるプラスチックであり、当プロジェクトのチューブの製造に選ばれました。この用途におけるPE100プラスチックの利点は、その耐食性および耐薬品性により設置および保守コストが低く抑えられることです。このようなプラスチックチューブは、その他の多くの利点の中でも、優れた流量特性、高い動作信頼性、そして表面が滑らかで非多孔性であり汚れにくいという性質があります。

直径1.6~2.5 m / 5.3〜8.2 ftのPEチューブ2.7 km / 1.7 miをレコードタイムで溶接

Krah Misrは、廃水処理場に直径1.6~2.5 m / 5.3~8.27 ftのスパイラル巻きPE 100チューブ合計2.7 km / 1.7 miを供給し、設置しました。元々、このプロジェクトの完了には18か月かかることが予想されていました。しかし、Krah Mirsrは、この低圧用チューブ(2.2 bar / 220000 Pa)を記録的な時間(7か月)で敷設し、現場溶接しました。

現場の土質上、電気融合溶接に加えて押出溶接が必要

6 m / 19.7 ftの長さのチューブが、密着性、安定性、漏れ防止を確保しながら溶接によって接続されました。

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かなりの沈下を生じる粘土質の土の上に敷かれたチューブは、特殊な溶接を必要としました。そのため、従来の電気溶融溶接方法に加え、Leister押出溶接機で内外からの溶接も行われました。

このプロジェクトを7か月で完了させるために、Krah Misrは溶接工の数を2倍にし、合計24台のLeister押出溶接機を使用しました。

Leisterの押出溶接機FUSION 3およびFUSION 3Cが、Krah Misrの溶接工に人気があります。その理由はいくつかあります。溶接工は、すでに数年にわたってこの押出溶接機を使用していて、この機具のことを非常によく知っています。加えて、頑丈なLeister押出溶接機は、大型のプラスチックチューブでの作業用に特別に設計されたものです。

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2018年に3日間のトレーニングコースで、Krah Misrの溶接工は、Roland Beeler(屋根材・床材事業担当、プラスチック製造責任者)による訓練を受けました。このクラスで、Leister押出溶接機を使用した熱可塑性樹脂の押出溶接がとても詳細に説明されました。以来、チームの技術ノウハウと溶接作業の質は向上し続けています。また、この製品ポートフォリオも、Leisterの機器やアクセサリが追加され、長年にわたって拡大されています。

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スイスのLeister Technologies AGのアフリカおよび西欧地域担当セールスマネージャーであるRachid Benlakhouyは、次のように述べています。「初日から、私たちはエジプト市場がLeisterにとってどれほど重要であるかを理解しました。この国は常に大規模で困難なインフラプロジェクトを提供してきました。そのため、当社は、我々のスイス製プラスチック溶接機器を優れたサービスとサポートとともに提供してくれる強力なパートナーとの強力なプレゼンスを持つ必要がありました。

Leisterのエジプトの販売業者であるSHS Saad Hanna Sonsは、長年にわたりKrah Misrに押出溶接機を納めてきました。販売に加え、SHSはすべてのLeisterの機械と工具のメンテナンスと修理も提供しています。SHSの修理技術者は、Leister製品が国内の重要なインフラプロジェクトで使用され、厳しい条件下においても確実に機能しなければならないため、その品質がいかに重要であるかが分かっています。

SHS Saad Hanna Sonsのマネージング・ディレクターであるAtef Hannaは、次のように述べています。「新年(2021年)の最初の週に、Krah Misrに多数の押出溶接機を届けるという難題に取り組みました。休暇シーズンとコヴィッドの状況にもかかわらず、Leisterは不可能を可能にし、記録的な速さで押出溶接機を届けてきました。私のチームは、この重要な貨物の通関手続きとリリースがスムーズに行くように手配しました。私たちは、Krah Mirsrがプロジェクトを中断することなく継続できるよう、できる限りのことをしたいと考えました。とにかく、Krah Misrは当社の最も重要な顧客の1つであり、当社は常にお客様に最高のサービスを提供するよう努めています。」

2021年4月末にプロジェクトが無事に完了した後、Krah MisrのゼネラルマネージャーであるPeter Youssefは次のように述べられています。「エジプトで大型のスパイラルHDPEチューブを製造するパイオニアとしてKrah Misrは、Leister社が提供する優れたサービスにとても満足しています。スイス製のLeisterツールの品質と、SHSの現地サービスは非常に優れたものでした。当社の従業員、当社のビジネスパートナーによる一流のサービス、使用機器の品質の高さは、すべて当社にとって成功の鍵となります。」