高価で供給が不安定なガスに代わる手段

ライスターインサイト2022年7月20日

天然ガスの価格は今年に入ってから20パーセントを超えて上昇し、現在、過去最高を記録しています。原因は1つだけではありません。ヨーロッパにおけるガスの備蓄が大幅に減少していること、一方で増加する需要、また二酸化炭素税の引き上げなどがあります。ただし、代替策はあります。このブログで詳細をご覧ください。

著者:ライスター・ドイツのゼネラルマネージャーであるアンドレアス・セラー、ライスター・スイスの事業開発部長兼KAMのマルクス・リップ

エネルギー供給業者は、ガスと石油の価格がさらに急上昇を続けるであろうと予測しています。ガスはさまざまな産業において、加工用の熱を生成する際に利用されます。これにより、関連産業における生産コストはこの数ヶ月で急激に上昇しました。

ライスターがガスの代替品を提供

ライスターは多くの産業・さまざまな用途において、ガスに取って代わる有用なエネルギー資源を提供します。たとえば、飲料の梱包に使用される段ボールは、ガスバーナーではなく、ライスターの電動エアーヒーターを使用して密閉することができます。システムの高出力と短いサイクルタイムのため、最近までこの処理は不可能でした。ライスターが開発した熱風コンポーネントにより、新しい電気加熱式のサイドシーリング装置の構築だけでなく、既存のガス式システムの簡単な改造も可能になります。

ライスターのシーリング装置(動画を参照)は最高700m/分の生産速度を達成し、最高900℃の空気温度で動作します。このシーリング装置により、温度とエアフローを簡単に制御できます。これにより、熱風工程は、ガス炎を使用するプロセスよりもはるかに正確で気候に優しいものになります。

食品産業におけるライスターのエアーヒーター

高性能なライスター熱風システムは、コーヒーの焙煎やドライフルーツの製造など、食品産業での加工に直接使用されることがよくあります。

このブログでは、ドイツの企業、PROBATがコーヒー焙煎機にライスターのエアーヒーターを導入した成功事例を紹介しています。

コーヒーの焙煎ですか? もちろんライスターのエアーヒーターで。

チョコレートや砂糖菓子も熱風で精製でき、また処理後の空気は触媒を使用してきれいにすることが可能です。ライスター・エアーヒーターの特長であるすぐれた制御性と正確な温度調節機能により、安全なプロセス制御を実現することで加工食品を最適に保護し、品質を保証します。

高温が要求される用途におけるライスターのセラミック・エアーヒーター

他の技術と比較しても、ライスターのセラミックエアヒーター(LHS 210 DF、LHS 410 DF、LHS 210 DF-R、LHS 410 DF-Rダブルフランジエアヒーターなど)なら、熱風を使用する工程で重要となる高温エア(最大1050℃)を生成できます。さらに、ライスターのセラミック・ヒーターエレメントは急激な温度の変更にも対応でき、ガスに比べても引けを取りません。ライスターのブロワーとPIDコントローラを使用すれば、高温気流はヒーターを通過するのではなく、ヒーター内部を流れるため、熱風を高精度に制御できる大きなメリットがあります。通常、ガスの場合、制御対象でない温度で空気がガスバーナーを通過するため、プロセス制御が非常に困難になります。電気式の熱生成ではガスを燃やすことがないため、二酸化炭素の排出量も抑えることができ、カーボンニュートラルに向けて優れた効果をもたらします。当然ながら、電気式熱風システムの電源には、化石燃料以外のクリーンな電力が使用されます

熱風のリサイクルでエネルギーを40パーセント節約

もうひとつの重要な利点として熱エネルギーの回収、つまり「エネルギーのリサイクル」が挙げられます。工程の実施中に加熱された空気を取り込み、正確に制御されたサイクルで再び熱風システムに送り込むことで、電気的に生成された熱の利用プロセスの効率が大幅に向上します。これはガスで実現できることではありません。熱風のリサイクルで節約できるエネルギーは最大40パーセントです。また、熱風リサイクルは、環境にも非常に良い影響をもたらし、ライスターの熱風システムに対する投資も短期間で回収することができます。

別の選択肢としてのライスターの赤外線システム

ライスターのエアーヒーターラインナップを補完するライスター赤外線技術は、ガスにかわる手段として電気を使用した加熱・乾燥工程を様々な分野で提供します。エネルギー需要の高い産業における工程では、赤外線と熱風システムを組み合わせたハイブリッドなソリューションも可能です。